2007年10月16日
絶滅の危機
絶滅(ぜつめつ)とは、一つの生物種の全ての個体が死ぬことによって、その種が絶えること。種全体に対してではなく個体群に対していうこともある。野生のものも含めて全ての個体の死亡を確認するのは難しく、絶滅したとされた種の個体が後になって生存を確認されることもある。
概説
生物は個体から成るが、個体はそれぞれに同一の遺伝子集団に属する複数個体から成る集団に属し、これを個体群という。そのような個体間で生殖が行われ、次世代の個体が生み出される。したがって、ある個体が死んでもその集団は存続するが、その集団に属する全個体が死んだ場合、その集団は消滅する。その場合、近縁であっても異なった集団は別の遺伝子集団であるから、失われた集団と全く同じものを復元することができない。これが絶滅である。それがその種に属する全集団に起こった場合、その種が絶滅したという。その意味で絶滅は不可逆的な現象である。
絶滅が心配される状態にある種を絶滅危惧種という。現代では人為的な圧力によって多くの種が絶滅危惧となっており、すでに絶滅したものも多い。絶滅は生物多様性の著しい低下であるから、それを避けるべく、そのような種には保護や配慮がなされるようになっている。そのために、絶滅危惧種をリストアップし、その状況を調査報告したレッドデータブックが刊行されている。
絶滅危惧種の保護のひとつとして、飼育下で増殖をはかる例も多い。その結果、飼育下の個体だけが残る場合もある。そのような生物で野生個体がいなくなったと判断された場合には、野生個体が絶滅、といった表現をする場合もある。野生個体が絶滅した例としてはウマやシフゾウがある。
絶滅の確認
本当に絶滅したかどうかを確認することは難しい。ゾウガメのように、大きくてしかも動きが遅く、逃げ隠れしない上に生息範囲が狭いものは歩き回って確かめることも可能であるが、そのような生物はごく限られている。
有名な例ではオーストラリアのフクロオオカミは1930年に野生個体と飼育個体の死が確認された時点で絶滅したと判断されたが、1933年に野生個体が捕獲され、3年後に死亡している。それ以降確実な記録はなく、絶滅したと考えられてはいるものの、不確実な目撃報告などは断続的にある。ニホンオオカミなども、まず確実に絶滅していると考えられてはいるが、未だにその生存を信じている向きもあり、「証拠写真」が時折発表される。
逆に最初から存在しなかったのではないかという例もある。ミヤコショウビンは1887年に宮古島で一頭採集され、それを元に新種記載されたが、その後一切の採集例がなく、絶滅したものといわれている。しかし、これが実はミクロネシア産のアカハラショウビンがたまたま飛来したもの、あるいは標本の保存中の事故で混乱した結果ではないかとの説がある。クマムシ類のオンセンクマムシは温泉から発見されたこと、その構造上類似種がなく、単独で一綱を立てられている等、特異な種であるが、これもその後発見されていない上、標本も残っておらず、現在では疑問視されることが多い。
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